埼玉県に所在する保険医療機関の個別指導を実施したところ、保険適用外の補綴物を患者から自費診療として費用を受領しているにもかかわらず、保険診療したように装う不正請求等により、勤務医(非常勤)の歯科医師 三原 俊介が保険医の登録の取消となった。
不正内容な以下の通り
- 自費診療として患者から費用を受領しているにもかかわらず同診療を保 険診療したかのように装い、診療録に不実記載し、保険医療機関に診療報酬を不正に請求させていた。
- 実際に行った保険診療を保険点数の高い別の保険診療に振り替えて診療 録に不実記載し、保険医療機関に診療報酬を不正に請求させていた。
保険医の行政処分について(平成28年1月21日)(PDF:60KB)
平成28年1月21日 関東信越厚生局
目次
歯科医師 三原 俊介➔監査9回➔勤務医(非常勤)が保険医の登録取消
保険医の行政処分について
平成28年1月20日、関東信越地方社会保険医療協議会に「保険医の登録の取消」 について諮問した結果、諮問のとおり答申がありました。
これを受け、関東信越厚生局長は、以下のとおり行政処分することを決定しましたのでお知らせします。
【行政処分の内容】
保険医の登録の取消
- (1)氏名: 三原 俊介
- (2)登録の取消年月日: 平成28年1月22日
- (3)根拠となる法律: 健康保険法(大正11年法律第70号) 第81条第1号及び第3号
【行政処分に至った経緯】
埼玉県に所在する保険医療機関の個別指導を実施したところ、保険適用外の補綴物を患者から自費診療として費用を受領しているにもかかわらず、保険診療したように装う不正請求等が疑われた。
患者調査を実施したところ、口腔内所見と相違する請求が確認され、二重・振替 請求が強く疑われたことから、平成25年7月から平成26年3月まで延べ9回の監査を実施した。 結果として保険医療機関の勤務医(非常勤)であった当該保険医について、「行政処分の主な理由」に記載した事実を確認した。
【行政処分の主な理由】
当該保険医の監査を実施した結果、以下の事実を確認した。
- 自費診療として患者から費用を受領しているにもかかわらず同診療を保 険診療したかのように装い、診療録に不実記載し、保険医療機関に診療報酬を不正に請求させていた。
- 実際に行った保険診療を保険点数の高い別の保険診療に振り替えて診療 録に不実記載し、保険医療機関に診療報酬を不正に請求させていた。
【診療報酬の不正請求額】
監査で判明した当該保険医の不実記載により保険医療機関に不正請求させていた 件数、金額は次のとおり。
件数: 28件
不正請求額: 258,158円
※ なお、監査で判明した以外分についても不正請求等があったものについては、 監査の日から5年前まで遡り、保険者等へ返還させることとしている。
歯科の指導・監査から生活・家族・関係者を守る
多かれ少なかれ指導・監査に不安を抱いている歯科医師は多い。
しかし、多くの歯科医師は相談できる相手がいないため、診療で忙しい日々に独自に一人で対応する場合が多い。
そのため、辻褄を合わすために技工所に指示書や納品書の改ざんを指示したりする場合も多いが、この場合は「取消」で済む話ではなく「詐欺」として刑事事件に発展する。
指導・監査は任意調査であるのに対し、事件となれば調査は強制なので当然、厳しいものになる。
「正しい対応」と「相談相手」
個別指導でしっかりと対応しなけば、今回の様に述べ9回にもなる監査に繋がる。
個別指導から監査へと移行する場合は、今回のようなに明らかな不正がある場合だけではない。意図しないミスや「言いがかり」ともいえる理由でも実施される。
また、何よりも個別指導や監査での技官は非常に高圧的で、結果が見えない中で長期間・複数回の監査が続く状況は、計り知れないほどの精神的負担を伴う。事実、そのことで自殺にまで追い込まれた医師も存在するのだから。
指導・監査は不正請求の疑いを抱かれているためだ。そのような歯科医師に対して世間の見る目は冷ややかだ。このような状況にある歯科医師へのテクニカル的なアドバイスや、何よりも相談できる相手がいると居ないのとでは、日々の不安や精神ストレス、指導・監査の結果は全く違ったものとなる。
指導・監査の対策マニュアル
是非、私たちが提供する保険医療機関の指導・監査の対策マニュアルをご活用いただき、保険医の指定は勿論、生活・家族・関係者の事業と生活を守っていただきたい。
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