大阪府大阪市中央区西心斎橋一丁目の大里内科(大里 修一郎)が診療報酬を不正請求で得ていたことから保険医療機関の指定取消処分となりました。
不正内容は以下の通り
- 実際には行っていない保険診療を行ったものとして、診療報酬を不正に請求していた。 (架空請求)
- 実際に行った保険診療に行っていない保険診療を付け増して、診療報酬を不正に請求 していた。(付増請求)
- 実際に行った保険診療を保険点数の高い別の診療に振り替えて、診療報酬を不正に請 求していた。(振替請求)
- 患者から自費を徴収しているにもかかわらず、保険診療したかのように装い、診療報 酬を不正に請求していた。(二重請求)
- 診察をせず調剤し、診療報酬を不正に請求していた。(その他の請求)
保険医の登録の取消及び元保険医療機関の指定の取消相当(平成28年6月27日付)(PDF:114KB)
平成28年6月27日 近畿厚生局
目次
大里内科➔個別指導➔監査➔取消処分
平成28年6月20日に開催された近畿地方社会保険医療協議会において、「保険医の登録の取 消」が妥当との答申及び「保険医療機関の指定の取消相当」についての建議がありました。
これを受け、近畿厚生局長は次のとおり対応しましたので、お知らせします。
1 保険医の登録の取消及び元保険医療機関の指定の取消相当の取扱い
(1)登録の取消となる保険医
- 氏名 大里 修一郎(おおさと しゅういちろう)〔65歳〕
- 取消年月日 平成28年6月27日
(2)指定の取消相当となる元保険医療機関
- 名称 大里内科
- 所在地 大阪府大阪市中央区西心斎橋一丁目4番5号 御堂筋ビル4階
- 開設者 大里 修一郎
- 取消相当年月日 平成28年6月27日
※ 当該保険医療機関は平成27年3月31日付で廃止していることから、指定の取消相当 の取扱いとするものです。指定の取消相当の取扱いとは、指定の取消処分と同等の取 扱いをするものです。
2 監査を行うに至った経緯
(1)平成25年7月31日、匿名の者から近畿厚生局指導監査課に対し、
- 薬剤情報に係る文 書を提供していないにもかかわらず、薬剤情報提供料を請求している、
- 定期的に薬の み受け取りにくる患者に診察せずに調剤し、再診料等を請求している、
- 実際には月1 回の診療で28日分の調剤をしているにもかかわらず、月2回の診療とし、14日分ずつ調 剤したものとして再診料等を請求している、
- 実際に受診した患者に、患者の知人の薬 剤も合わせて調剤のうえ手渡したにもかかわらず、知人を診察したものとして再診料等を請求している旨の情報提供があった。
(2)平成26年12月17日、個別指導を実施したところ、指導対象患者の診療録の一部につい て持参がなかった。また、医薬品の納品伝票又は請求書から購入実績が確認できない医 薬品について、大里医師から明確な回答が得られなかったため、個別指導を中断した。
(3)平成27年3月11日、個別指導を再開したところ、大里医師が後発医薬品を先発医薬品に振り替えて診療報酬を不正に請求していたことを認めたことから個別指導を中止し、 平成27年4月13日ほか計14回の監査を実施した。
3 取消相当及び取消処分の主な理由
監査において判明した取消相当及び取消処分の理由となる主な事実は、以下のとおり。
- 実際には行っていない保険診療を行ったものとして、診療報酬を不正に請求していた。 (架空請求)
- 実際に行った保険診療に行っていない保険診療を付け増して、診療報酬を不正に請求 していた。(付増請求)
- 実際に行った保険診療を保険点数の高い別の診療に振り替えて、診療報酬を不正に請 求していた。(振替請求)
- 患者から自費を徴収しているにもかかわらず、保険診療したかのように装い、診療報 酬を不正に請求していた。(二重請求)
- 診察をせず調剤し、診療報酬を不正に請求していた。(その他の請求)
4 不正・不当請求金額
監査において判明した不正・不当請求金額は、監査で使用した平成22年5月分から平成 27年1月分までのレセプトのうち以下のとおり
- 不正請求金額 28名分 132件 351,680円
- 不当請求金額 30名分 83件 41,145円
なお、監査において判明した分以外についても、不正・不当請求のあったものについて は、監査の日から5年前まで遡り、保険者等へ返還させることとしている。
5 再指定等
原則として、登録の取消の日及び指定の取消相当の日から5年間は、保険医の再登録及 び保険医療機関の指定は行わない。 (参考)取消処分の根拠条文
○ 保険医の登録の取消 健康保険法第81条第1号及び第3号
○ 保険医療機関の指定の取消 健康保険法第80条第1号、第2号、第3号及び第6号
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