あんじゅの杜診療所(岐阜県関市小瀬 1505-1(平成24年9月12日廃止))の小倉 隆(おぐら たかし)が診療報酬533万7166円を不正に請求し得ていたことから取消処分となった。
不正内容は以下の通り
- 実際には保険医療機関の保険医として勤務する予定のない者を、保険医療機関指定申請書に保険医であると記載して、保険医療機関の指定を申請 していた。
- 実際に行った保険診療に行っていない保険診療を付け増して、診療報酬を不正に請求していた。(付増請求)
- 保険医療機関指定申請時に、実際には施設基準要件を満たしていないにもかかわらず、満たしているものとして届出を行い、当該施設基準に係る診療報酬を不正に請求していた。(その他の請求)
平成30年10月10日 東海北陸厚生局
目次
あんじゅの杜診療所(小倉 隆)➔不正請求➔取消処分
標記について、平成30年10月9日に開催された東海北陸地方社会保険医療協議会に保険医療機関の指定の取消相当について意見伺いをした結果、「取消相当が妥当」との建議がありました。
これを受け、東海北陸厚生局長は以下の取扱いとすることを決定しましたのでお知らせいたします。
1 取消相当の内容
保険医療機関の指定の取消相当の取扱い
- 元保険医療機関名: あんじゅの杜診療所(平成 24 年9月 12 日廃止)
- 所在地: 岐阜県関市小瀬 1505-1
- 開設者: 小倉 隆(おぐら たかし)
- 取消相当年月日: 平成 30 年 10 月 11 日
※当該保険医療機関は、平成 24 年9月 12 日付けで廃止となっていること から指定の取消の行政処分と同等の取扱いとするものです。
2 監査を行うに至った経緯
東海北陸厚生局岐阜事務所があんじゅの杜診療所の新規個別指導を行った 際に、開設者・管理者である小倉隆医師の説明等から、次の疑義が生じた。
- 小倉隆医師から、自身は一度も診療所に行ったことが無いとの回答があったため、保険医の名義を貸していたことが疑われた。
- 唯一の勤務医である非常勤医師は、週1日程度の勤務(通常は自身が開設する愛知県の診療所で診療)であり、医師が不在であるにもかかわらず、 診察等を行ったとして診療報酬を不正請求していることが疑われた。
- 在宅時医学総合管理料及び特定施設入居時等医学総合管理料の施設基準 の届出を行うにあたり、常勤ではない小倉隆医師を常勤の医師として届出を行っていることが疑われた。
これらの疑義について、小倉隆医師に説明を求めたところ、保険診療については一切知らないと発言したため、これ以上の指導継続が不可能と判断し、指導を中断した。
その後、平成 24 年9月 12 日付けで保険医療機関の廃止届が提出されたが、保険医療機関の指定申請に当たり、保険医として名義を貸していたこと及び 診療報酬の請求に不正又は著しい不当が強く疑われたため、監査を実施した。
3 取消相当の主な理由
当該保険医療機関の監査を実施した結果、以下の事実を確認した。
- 実際には保険医療機関の保険医として勤務する予定のない者を、保険医療機関指定申請書に保険医であると記載して、保険医療機関の指定を申請 していた。
- 実際に行った保険診療に行っていない保険診療を付け増して、診療報酬を不正に請求していた。(付増請求)
- 保険医療機関指定申請時に、実際には施設基準要件を満たしていないにもかかわらず、満たしているものとして届出を行い、当該施設基準に係る診療報酬を不正に請求していた。(その他の請求)
4 不正・不当請求金額
監査において判明した不正・不当請求金額は、監査で使用した平成 22 年 10 月分から平成 24 年9月分までのレセプトのうち以下のとおり。
- 不正請求 32 名 312 件 3,870,966 円
- 不当請求 7 名 58 件 1,466,200 円
5 再指定等
原則として、指定の取消相当の日から5年間は、保険医療機関の再指定は行わない。 (参考)取消処分の根拠条文 保険医療機関の指定の取消 保険医療機関又は保険薬局の指定の取消を定めた健康保険法第 80 条第1 号、第2号、第3号及び第6号
お問合せ・コメントはこちら