医療法人中央橋眼科(長崎県長崎市銅座町6番19号)理事長 上野泰志うえの やすし(68歳)が診療報酬を不正に請求し得ていたことから保険医療機関の指定取消処分となった。
不正内容は以下の通り
1 不正請求 振替請求
- 実際に行った保険診療を保険点数の高い別の診療に振り替えて、診療報酬を 不正に請求していた。 《 具体的事例 》
- 屈折異常でコンタクトレンズの装用を目的として継続的に受診している患者に対し、本来、再診料を請求すべきであるにもかかわらず、初診料を請求していた。
- コンタクトレンズの装用を目的に受診した患者に対して眼科学的検査を行った場合、本来、コンタクトレンズ検査料2で請求すべきであるにもかかわらず、以下の眼科学的検査に係る費用を個々に出来高で請求していた。
また、このことにより、本来、コンタクトレンズ検査料2を算定する場合 には算定できない夜間・早朝等加算を請求していた。
精密眼底検査 両側 、屈折検査、矯正視力検査2、精密眼圧測定、細隙 燈顕微鏡検査前眼部 、細隙燈顕微鏡検査 染色 、涙液分泌機能検査
2 不当請求
- 算定要件を満たさない初・再診料に係る夜間・早朝等加算の診療報酬を不当に請求していた。
- 算定要件を満たさない検査の診療報酬を不当に請求していた。
平成30年9月7日 九州厚生局
目次
医療法人中央橋眼科(理事長 上野泰志)➔不正請求➔取消処分
厚生労働省九州厚生局は、平成30年9月7日付けで、保険医療機関に対する指定の取消処分及び保険医に対する登録の取消処分を行いました。この処分は、実際に行った保険診療を保険点数の高い別の診療に振り替えて、診療報 酬を不正に請求したことによるものです。
不正・不当請求額 約14万円 なお、今回の処分にあたっては、平成3年9月4日に開催された九州地方社会保険医療協議会に諮問を行い、諮問のとおりの答申がなされています。
1 保険医療機関の指定の取消処分及び保険医の登録の取消処分
1 指定取消となる保険医療機関
- 名称: 医療法人中央橋眼科
- 所在地: 長崎県長崎市銅座町6番19号
- 開設者: 医療法人中央橋眼科 理事長 上野 泰志 うえの やすし
- 指定取消日: 平成30年9月7日
2 登録取消となる保険医
- 氏名: 上 野 泰 志 うえの やすし 68歳
- 登録取消日: 平成30年9月7日
2 根拠条文
1 保険医療機関の指定取消
・健康保険法第8 条第1号、第2号、第3号及び第6号
2 保険医の登録取消
・健康保険法第81条第1号
3 診療報酬の不正及び不当請求
監査において確認した不正・不当請求に係るレセプト件数及び金額
平成26年1月 平成26年12月
- 不正請求 23名分 レセプト 44件 133 35円
- 不当請求 1名分 レセプト 2件 4 76 円
- 合 計 24名分 レセプト 46件 137 795円 (23名分) 44件)
※ 内は、患者実人数及びレセプト実件数である。
注) 上記の件数及び金額は、監査で確認したもののみを計上しており、最終的な 不正・不当請求の件数及び金額は、今後精査していくこととしているので、現時点では確定していない。
4 取消処分の主な理由
1 不正請求 振替請求
- 実際に行った保険診療を保険点数の高い別の診療に振り替えて、診療報酬を 不正に請求していた。 《 具体的事例 》
- 屈折異常でコンタクトレンズの装用を目的として継続的に受診している患者に対し、本来、再診料を請求すべきであるにもかかわらず、初診料を請求していた。
- コンタクトレンズの装用を目的に受診した患者に対して眼科学的検査を行った場合、本来、コンタクトレンズ検査料2で請求すべきであるにもかかわらず、以下の眼科学的検査に係る費用を個々に出来高で請求していた。
また、このことにより、本来、コンタクトレンズ検査料2を算定する場合 には算定できない夜間・早朝等加算を請求していた。
精密眼底検査 両側 、屈折検査、矯正視力検査2、精密眼圧測定、細隙 燈顕微鏡検査前眼部 、細隙燈顕微鏡検査 染色 、涙液分泌機能検査
2 不当請求
- 算定要件を満たさない初・再診料に係る夜間・早朝等加算の診療報酬を不当に請求していた。
- 算定要件を満たさない検査の診療報酬を不当に請求していた。
5 監査を行うに至った経緯等
- 平成26年5月、患者から九州厚生局長崎事務所に対し、コンタクトレンズ装用後の定期検査のために医療法人中央橋眼科を受診したところ、再診料とコンタクトレンズ検査料ではなく、初診料と眼科学的検査料を請求されたとの情報提供がなされた。
- 平成27年2月、当該眼科に対し個別指導を実施したところ、開設・管理者で保 険医でもある上野泰志医師は、コンタクトレンズの装用を目的に受診した患者については、コンタクトレンズ検査料2により保険請求すべきであることを認識していたものの、実際には初診料と眼科学的検査に係る費用として保険請求している事例 が認められた。
- その後、患者調査を実施したところ、調査に応じた24名のうち22名は、コンタクトレンズの装用を目的に受診したにもかかわらず、眼科学的検査に係る費用として出来高で請求されていることを確認した。
- 平成27年9月、個別指導を再開したところ、コンタクトレンズの装用を目的に受診した場合はコンタクトレンズ検査料2で請求すべきであるにもかかわらず、眼科学的検査に振り替えて出来高で診療報酬を不正に請求していることが強く疑われたことから個別指導を中止し、監査を実施した。
お問合せ・コメントはこちら