歯を削るドリル(ハンドピース)を半数の歯医者が使い回し

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歯を削るドリル(ハンドピース)はこんな感じ。👇

2017年7月4日にモーニングショー(朝日放送)で、歯医者で歯を削るときなどに使われるドリル(ハンドピース)が半数の歯医者で使いまわしの状態にあることが放送された。

放送では「非常に危険」との見解であった(全く同感だ)。

本記事の最後に、ユーチューブでアップされた放送のリンクを貼っているので興味のある方はご確認いただきたい。

 

厚生労働省の危ない調査結果

厚生労働省の調査では、約半数の歯科医院でハンドピースが患者ごとに交換せずに使いまわしているという驚きの結果であった。

 

 

ハンドピースの構造

ハンドピースは先端のドリルが着脱でき、

柄の部分(ハンドピース)は交換・着脱することができる。

 

なぜハンドピースの使いまわしは危険なのか

下の写真を見ていただいたら分かると思うが、ドリルの周りの小さな穴からドリルが回転すると同時に水と空気が放出される。

そして、その回転を止めるときには逆回転することでスムーズに止まる構造だ。そのため、逆回転時に患者さんの血液や細菌をハンドピース内に吸い込んでしまう。

感染の危険性

そのハンドピースを次の患者さんに使うと、前の患者さんの吸い込んだ血液や細菌が放出されることにより感染の危険が高まるということだ。

前の患者さんがB型肝炎やC形肝炎、HIVの患者さんであれば、非常に危険なことは容易に想像がつくと思う。

 

正しい滅菌処理とは

※当然、患者ごとに行うという前提。

1、ハンドピースを水洗いし、油を注入

2、滅菌パックへ

3、高圧蒸気滅菌機(オートクレーブ)へ

 

しかし、ほとんどの歯医者では消毒のみで済ませている。

歯科医師会の調べでは、ドリルやハンドピースも患者さんごとに消毒は行っているという。しかし、消毒ではハンドピース内の血液や細菌を除去することは難しい。

※ここでも歯科医師会は「消毒は行っている」と報告しているが、現場を知る者としては、消毒すらほとんど行っていない歯医者は山ほどいる。歯科医師会ほど信用できない組織はない。

 

歯医者が使い回しする理由

歯医者が使い回しをする理由としては、

  • ハンドピースがひとつ10万円~20万円する。
  • 高圧蒸気滅菌することで対応年数は1~2年程度。
  • 135度で15分の滅菌が必要なため、複数のハンドピースが必要となる。

という経費の問題であると結論付けられていた。

それ以外にも、オートクレーブ(高圧蒸気滅菌機)が高額であることも理由としてはあると思う。

 

解決策は

経費面として厳しいので、補助金などの資金援助が必要とされていた。

しかし、出演者などからは「最低限の経費だから」や「ここはケチってもらったら困る」という意見が出された。

確かに歯科の保険点数は低く、厳しい経営状況にある歯科医院も多い。しかし、高圧蒸気滅菌機による滅菌処理ができない程では間違いなくない。根本的な問題は歯医者のモラルハザードの欠如だと思う。

罰則規定はない

  • 滅菌処理を行わないからと言って罰則規定はないという。
  • 日本歯科医師会は指針を出している

しかし、日本歯科医師会の特徴として「法的拘束力がない」、「罰則規定はない」というものを守る必要はないという考え方なので、非常に危険だ。

 

感染被害に遭ったら

番組では、感染被害に遭った場合の不安も話された。

  1. もしハンドピースによる感染被害に遭っても立証できないため、責任を求めるのは難しいのでは
  2. 歯医者側に訴えても「どうやって証明するんですか?」と言われたらそれまで。

など、因果関係を証明することが難しいこのような問題は一番怖いという不安な声が上がった。

 

高圧蒸気滅菌機で滅菌を行っている歯医者を見分けるには

最後に番組では高圧蒸気滅菌機で滅菌を行っている歯医者の見分け方を紹介していた。

1、チェア(治療する椅子)の横などに備え付けているハンドピースの部分が外されているか

2、滅菌パックからハンドピースを出してくるか

3、滅菌パックから出したハンドピースをセットするか

という部分で見分けることができるという。

他にも、ハンドピースの使い回し問題は以前から言われているため、オートクレーブ(高圧蒸気滅菌機)を使っている歯医者はホームページなどで積極的にアピールしている場合も多い。

 

以下は2017年7月4日に放送されたモーニングショーで、ハンドピースの滅菌問題が取り上げられていた映像だ。

どの歯医者が「良い歯医者」かを見抜くこと難しい。良い歯医者の選び方をまとめているので是非、参考にしていただきたい。

いい歯医者の選び方! 11の見分けるポイント言っちゃいます

 

 

 

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