【事件】医療法人FONS ASERAクリニック(藤沢 直史)が診療報酬87万円を不正請求

医療法人FONS ASERAクリニック(大阪府大阪市北区曽根崎新地2丁目1番 14 号 桜橋南ビル4階)、

医療法人FONS 理事長 藤沢 直史(法人番号 8290005001940)が診療報酬424万5,226円を不正に請求し得ていたことから取消処分となった。

 

保険医療機関の指定の取消及び保険医の登録の取消について

令和6年3月19日 近畿厚生局

 

 

不正内容は以下の通り

患者は当該保険医療機関を受診することなく、医師が診察していないにもかかわらず、患者自身が検体を採取し、勤務先事業所で取りまとめ、検査事業者が回収して実施した検査について、保険診療と認められないものを、保険診療を行ったものとして、診療報酬を不正に請求していた。

 

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医療法人FONS ASERAクリニック→不正請求→取消処分

令和6年3月12日に開催された近畿地方社会保険医療協議会において、「元保険医療機関の指定の取消相当」については妥当との建議がありました。

これを受け、近畿厚生局長は次のとおり対応しましたので、お知らせします。

 

1 保険医療機関の指定の取消及び保険医の登録の取消

  • 名称:医療法人FONS ASERAクリニック
  • 所在地:大阪府大阪市北区曽根崎新地2丁目1番 14 号 桜橋南ビル4階
  • 開設者:医療法人FONS 理事長 :藤沢 直史(法人番号 8290005001940)
  • 指定取消年月日:令和6年3月 19 日

当該保険医療機関は令和5年6月13日付けで廃止していることから、指定の取消相当の取扱いとするものです。指定の取消相当の取扱いとは、指定の取消処分と同等の取扱いをするものです。

 

2 監査を行うに至った経緯

  • 令和4年9月以降、複数の保険者(健康保険組合等)及び患者から近畿厚生局に対し、次のとおり情報提供があった。
  • 患者の医療費通知に受診したことがない保険医療機関が記載されており、患者の勤務先事業所で検査事業者が無料で実施した新型コロナウイルス感染症のPCR検査に係る費用が保険請求されている。
  • 検査事業者のチラシには、心斎橋内科皮膚科クリニック、ASERAクリニック、心斎橋内科クリニック、さんみクリニック(これら4医療機関について以下「提携医療機関」という。)のいずれかから保険請求される旨が記載されている。
  • 新規個別指導を実施したところ、患者の勤務先事業所で検査事業者が実施したPCR検査について、医師の診察なく保険請求していたことを認めた。
  • 令和4年4月から令和5年1月までのレセプトを分析した結果、ほぼ全てでPCR検査の費用が請求されていた。
  • また、同一の患者におけるPCR検査の費用について、レセプトの請求元(保険医療機関)が月単位で提携医療機関に分散して請求されているものが相当数認められた。

【請求例】

心斎橋内科皮膚科 ASERA 心斎橋内科 さんみ
R4.10 患者A 患者B 患者C 患者D
R4.11 患者B 患者D 患者A 患者C
  • 患者及び患者の勤務先事業所へ調査を行ったところ、次のア~カの一連の行為が認められた。
    ア 検査事業者は患者(従業員)の勤務先事業所に対し、従業員に対して無料でPCR検査を実施すると案内して検査キットと問診票を事業所に配布。
    イ 事業所は患者(従業員)に対して検査キットを配布。
    ウ 患者(従業員)は自身で検査キットに唾液を採取し、問診票及び被保険者証の写し(以下「保険証(写)」という。)とともに勤務先事業所へ提出。
    エ 勤務先事業所では検査キット、問診票及び保険証(写)をとりまとめ、検査事業者が事業所に来て回収。
    オ 検査結果は検査事業者の Web サイトから患者(従業員)自身で確認。
    カ 検査にあたり患者(従業員)は医師の診察を受けていない。
  • これらのことから、保険診療と認められないものを、保険診療を行ったものとして、診療報酬を不正に請求していたことが強く疑われたため、令和5年6月から同年 11 月まで計 12 日間の監査を実施した。
  • なお、監査において、PCR検査で採取された同一検体について、診療報酬を請求しながら大阪府新型コロナウイルス感染症無料検査実施事業費補助金も重複して請求していたことが認められた。

 

3 取消処分の主な理由

監査において判明した取消処分の理由となる主な事実は、以下のとおり。

  1. 患者は当該保険医療機関を受診することなく、医師が診察していないにもかかわらず、患者自身が検体を採取し、勤務先事業所で取りまとめ、検査事業者が回収して実施した検査について、保険診療と認められないものを、保険診療を行ったものとして、診療報酬を不正に請求していた。

 

4 不正・不当請求金額

監査において判明した不正・不当請求金額は、監査で使用した平成27年1月分から令和元年12月分までのレセプトのうち以下のとおり。

不正請求額
不正請求金額 42 件 868,994 円

なお、監査において判明した分以外についても、不正・不当請求のあったものについては、監査の日から5年前まで遡り保険者へ返還させることとしている。

 

5 再指定等

原則として、指定の取消の日及び登録の取消の日から5年間は、保険医療機関の再指定及び保険医の再登録は行わない。

(参考)取消処分の根拠条文

○ 保険医療機関の指定の取消

健康保険法第80条第1号、第2号、第3号及び第6号

 

 

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