美里医院(石川県金沢市東蚊爪町 54 番地3 )、医療法人社団 美里医院 理事長:前田 俊彦(まえだ としひこ)(70 歳)が診療報酬47万9,291円を不正に請求し得ていたことから取消処分となった。
令和6年7月18日 東海北陸厚生局
✅ 不正内容は以下の通り
- 実際に行った保険診療に行っていない保険診療を付け増して、診療報酬を不正
に請求していた。(付増請求) - 保険診療として認められない健康診断を、保険診療を行ったものとして診療報
酬を不正に請求していた。(その他の請求) - 上記(1)について、不正請求分に係る一部負担金を受領していた。また、一
部の患者について、一部負担金を適正に徴収していなかった。 - 個別の費用ごとに区分した領収証を交付していなかった。また、費用の計算の
基礎となった項目ごとに記載した明細書を交付していなかった。 - 不正請求に係る事項を診療録(様式第1号(1)の3)に不実記載していた。
また、保険分と自費分の診療録を区別して整備していなかった。
美里医院(前田 俊彦)→不正請求→取消処分
標記について、令和6年2月 14 日に開催された東海北陸地方社会保険医療協議会において、「保険医療機関の指定の取消し及び保険医の登録の取消し」について諮問した結果、諮問のとおり答申がありました。
これを受け、東海北陸厚生局長は以下のとおり行政処分等することを決定しましたのでお知らせいたします。
1 行政処分の内容
保険医の登録の取消
- 氏名:前田 俊彦(まえだ としひこ)(70 歳)
- 登録取消年月日:令和6年7月 19 日
- 根拠となる法律:健康保険法第 81 条第1号、3号
保険医療機関の指定の取消
- 名称:美里医院
- 所在地:石川県金沢市東蚊爪町 54 番地3
- 開設者:医療法人社団 美里医院 理事長 前田 俊彦
- 指定取消年月日:令和6年7月 19 日
- 根拠となる法律:健康保険法第 80 条第1号、2号、3号、6号
2 行政処分に至った経緯
- 平成 25 年3月6日、美里医院の患者から金沢市に対し、月に1日しか受診して
いないのに医療費通知では2日受診したことになっている旨の申し出があり、金沢市が診療報酬明細書を確認したところ、申し出があった事実が認められたとして、石川県を通じて、東海北陸厚生局石川事務所に情報提供があった。 - 平成 26 年7月 30 日、個別指導の実施通知書を当該保険医療機関に送付したが、平成 26 年8月 28 日の個別指導を欠席のうえ、平成 26 年9月 12 日に個別指導の実施通知そのものが違法であるとして行政訴訟事件が提起されたことから、判決が確定する令和元年7月5日までの間、個別指導の実施を見送った。
- 令和元年7月5日、判決が確定し、実施通知が違法ではないことが認められたた
め、令和元年8月8日、平成 26 年8月 28 日に実施することとしていた個別指導は正当な理由による欠席とは認められない旨を当該保険医療機関へ通知した。 - 令和2年2月 27 日、個別指導を実施したところ、患者の一部負担金の徴収金額
が記載された日計表には1日しか患者氏名や徴収金額などの来院した記録が記載
されていないが、診療録には連続する2日の一方に院内処方、もう一方に院外処方の投薬を行ったと記載され、2日分の診療報酬が請求されている事例が2件確認された。このことについて、開設管理者である前田医師は、院内処方と院外処方を同日で算定できないので、実際には1日しか診療をしていないが2日診療したことにして診療報酬を請求していた旨を述べたことから、更に確認が必要となったため、個別指導を中断した。 - 令和2年 10 月に患者調査を実施したところ、5名について上記と同様の事象が
認められ、また、20 名について、当該保険医療機関にお薬手帳を提出していない旨の回答があったにもかかわらず、薬剤情報提供料の手帳記載加算の診療報酬が請求されている事象が認められた。 - 以上により、診療報酬の請求に関して不正又は著しい不当が強く疑われたことか
ら、個別指導を中止し監査を実施した。
3 取消処分の主な理由
監査において判明した取消処分の理由となる主な事実は、以下のとおり。
- 実際に行った保険診療に行っていない保険診療を付け増して、診療報酬を不正
に請求していた。(付増請求) - 保険診療として認められない健康診断を、保険診療を行ったものとして診療報
酬を不正に請求していた。(その他の請求) - 上記(1)について、不正請求分に係る一部負担金を受領していた。また、一
部の患者について、一部負担金を適正に徴収していなかった。 - 個別の費用ごとに区分した領収証を交付していなかった。また、費用の計算の
基礎となった項目ごとに記載した明細書を交付していなかった。 - 不正請求に係る事項を診療録(様式第1号(1)の3)に不実記載していた。
また、保険分と自費分の診療録を区別して整備していなかった。
4 不正・不当請求金額
監査で判明した不正件数、金額は次のとおり。
不正請求額
不正請求 | 87 名 | 150 件 | 479,291 円 |
なお、監査で判明した以外の分についても不正請求等があったものについては、
監査の日から5年前まで遡り、保険者等へ返還させることとしている。
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