まち神経内科クリニック(福岡県福岡市中央区唐人町1丁目5番1号 3F)の町 ミチ(まち みち)が約1082万円の診療報酬を不正に得ていたことから取消処分となった。
まち神経内科クリニック➔不正請求➔取消処分
厚生労働省九州厚生局は、平成30年3月15日付けで、保険医療機関に対する指定の取消処分及び保険医に対する登録の取消処分を行いました。
この処分は、実際に行った保険診療に行っていない保険診療を付け増して請求するなど、診療報酬を不正に請求したことによるものです(不正・不当請求額 約 1082 万円)。
なお、今回の処分にあたっては、平成30年3月7日に開催された九州地方社会保険 医療協議会において、諮問のとおりの答申がなされています。
1.保険医療機関の指定の取消処分及び保険医の登録の取消処分
(1) 指定取消となる保険医療機関
- 名称: まち神経内科クリニック
- 所在地: 福岡県福岡市中央区唐人町1丁目5番1号 3F
- 開設者: 町 ミ チ(まち みち)
- 指定取消日: 平成30年3月15日
(2) 登録取消となる保険医
- 氏名: 町 ミ チ(まち みち) 65歳
- 登録取消日: 平成30年3月15日
2.根拠条文
(1) 保険医療機関の指定取消
・ 健康保険法第80条第1号、第2号、第3号及び第6号
(2) 保険医の登録取消
・ 健康保険法第81条第1号及び第3号
3.診療報酬の不正及び不当請求
監査において確認した不正・不当請求に係るレセプト件数及び金額 (平成25年5月~平成26年7月)
- 不正請求 23名分 レセプト 296件 3,715,549円
- 不当請求 25名分 レセプト 277件 7,106,817円
- 合 計 48名分 レセプト 573件 10,822,366円(26名分) (296件)
※( )内は、患者実人数及びレセプト実件数である。
(注) 上記の件数及び金額は、監査で確認したもののみを計上しており、最終的な 不正・不当請求の件数及び金額は、今後精査していくこととしているので、現 時点では確定していない。
4.取消処分の主な理由
(1) 不正請求
① 架空請求 実際には行っていない保険診療を行ったものとして診療報酬を不正に請求し ていた。
《 具体的事例 》
当該月に一度も診療を行っていない患者について、初・再診料等を請求して いた。
② 付増請求 実際に行った保険診療に行っていない保険診療を付け増して、診療報酬を不 正に請求していた。
《 具体的事例 》
ア 実際には患者の診療を行っていないにもかかわらず、行ったものとして 訪問看護指示書や処方せんを作成し、初・再診料、訪問看護指示料及び処 方せん料等を請求していた。
イ 実際には患家における診療時間が1時間未満であるにもかかわらず、1 時間を超えたもの(90 分)として加算額を請求していた。
③ 振替請求 実際に行った保険診療を保険点数の高い別の診療に振り替えて、診療報酬を 不正に請求していた。
《 具体的事例 》
初診料を算定すべきところ、在宅患者訪問診療料として請求していた。
④ その他の請求 不正請求であって架空請求、付増請求、振替請求に該当しないもの。
《 具体的事例 》
ア 在宅療養支援診療所(3)の施設基準の要件を満たしていないにもかか わらず当該施設基準に係る届出を行い、在宅療養支援診療所が診療を行っ たものとして、診療報酬を不正に請求していた。
イ 施設基準の届出が必要な神経学的検査、神経・筋検査判断料について、 算定開始年月日前(届出前)に実施した検査を、算定開始年月日以後に実 施したものとして当該費用を不正に請求していた。
(2) 不当請求
算定要件を満たさない在宅医療の診療報酬を不当に請求していた。
《 具体的事例 》
ア 在宅患者訪問診療料について、診療録に訪問診療が必要である旨及び訪 問診療の計画の記載がないにもかかわらず請求していた。
イ 在宅時医学総合管理料について、在宅療養計画を作成していないにもか かわらず請求していた。
5.監査を行うに至った経緯等
(1) 平成 26 年 3 月、福岡県から九州厚生局指導監査課に対し、以下の内容の情報提供がなされた。
① 在宅患者訪問診療料を算定している患者について、患家診療時間加算(診療時 間が1時間を超えた場合の加算)が算定されている例があまりにも多い。
② 訪問看護を受けている患者について、訪問看護指示書を毎月1日に交付し、 同日に再診料を算定している。訪問看護を受けている患者の全てが、毎月1日 に外来受診を行っていることは不自然である。
(2) 平成 26 年 8 月及び同年 9 月に新規個別指導を実施したところ、町医師が以下の 内容を認めたことから新規個別指導をそれぞれ中断した。
① 在宅での診療時間が1時間を超えていないにもかかわらず、患家診療時間加 算を一律に請求していた。
② 患者を診療していない日(毎月1日)に、訪問看護指示書を作成し、訪問看護 指示料を請求する際に再診料等をあわせて請求していた。
③ 患者への訪問診療を行う日の2日前に、実際にはその日には患者を診療して いないにもかかわらず処方せんを作成し、再診料等を請求していた。
(3) 平成 26 年 11 月に新規個別指導を再開の上、これまでの指導において確認した事項について、町医師に改めて確認したところ、診療報酬の請求に不正又は不当の疑いが濃厚となったため新規個別指導を中止し、平成 27 年 1 月から平成 28 年 7 月にかけ計 13 回延べ 15 日の監査を実施した。
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