長崎県諫早市黒崎町106の田﨑医院(田﨑 浩一)が診療報酬を不正に請求し得ていたことから保険医療機関の指定取消処分となりました。
不正内容は以下の通り
- 実際には行っていない保険診療を行ったものとして診療報酬を不正に請求し ていた。(架空請求)
- 実際に行った保険診療に行っていない保険診療を付け増して、診療報酬を不 正に請求していた。(付増請求)
- 算定要件を満たさない外来管理加算、医学管理等及び在宅医療に係る診療報酬 を不当に請求していた。(不当請求)
保険医療機関の指定の取消及び保険医の登録の取消について(PDF:124KB)
九州厚生局
田﨑医院➔個別指導➔監査➔取消処分
保険医療機関の指定の取消及び保険医の登録の取消
厚生労働省九州厚生局は、平成28年5月19日付けで、保険医療機関に対する指定 の取消処分及び保険医に対する登録の取消処分を行いました。
この処分は、実際に行った保険診療に行っていない保険診療を付け増して請求するな ど、診療報酬を不正に請求したことによるものです。
(不正・不当請求額 約299万円) なお、今回の処分にあたっては、平成28年5月16日に開催された九州地方社会保 険医療協議会に諮問を行い、諮問のとおりの答申がなされています。
1.保険医療機関の指定の取消処分及び保険医の登録の取消処分
(1) 指定取消となる保険医療機関
- 名称 田﨑医院
- 所在地 長崎県諫早市黒崎町106
- 開設者 田﨑 浩一 (たさき こういち)
- 指定取消日 平成28年5月19日
(2) 登録取消となる保険医
- 氏名 田﨑 浩 一 (たさき こういち) 60歳
- 登録取消日 平成28年5月19日
2.根拠条文
(1) 保険医療機関の指定取消
健康保険法第80条第1号、第2号、第3号及び第6号
(2) 保険医の登録取消
健康保険法第81条第1号及び第3号 発 表 日 平成28年5月20日 照 会 先 九州厚生局長崎事務所 電話番号 095-801-4201 九州厚生局 Press Release 2
3.診療報酬の不正及び不当請求
監査において確認した不正・不当請求に係るレセプト件数及び金額 (平成24年4月~平成26年7月)
- 不正請求 19名分 レセプト 305件 1,111,748円
- 不当請求 19名分 レセプト 457件 1,882,307円
- 合 計 38名分 レセプト 762件 2,994,055円 (20名分) (505件)
※( )内は、患者実人数及びレセプト実件数である。 (注) 上記の件数及び金額は、監査で確認したもののみを計上しており、最終的な不正・不当請求の件数及び金額は、今後精査していくこととしているので、現時点では確定していない。
4.取消処分の主な理由
(1) 不正請求
① 架空請求
実際には行っていない保険診療を行ったものとして診療報酬を不正に請求し ていた。
《 具体的事例 》
当該月に一度も受診していない患者について、再診料、医学管理等、在宅 医療及び投薬に係る費用を請求していた。
② 付増請求
実際に行った保険診療に行っていない保険診療を付け増して、診療報酬を不 正に請求していた。
《 具体的事例 》
当該月に何回かの受診がある患者について、実際の受診回数よりも多く受 診したようにして、再診料、医学管理等、在宅医療及び投薬に係る費用を請 求していた。
※ 実際には1回の受診時に28日分の薬剤を投薬(院内処方)したものを、 2回受診し14日分ずつ2回に分けて投薬したとして請求していたものが多 数を占めている。
(2) 不当請求
算定要件を満たさない外来管理加算、医学管理等及び在宅医療に係る診療報酬 を不当に請求していた。
5.監査を行うに至った経緯等
- 平成25年12月、九州厚生局長崎事務所に「月に1回受診している患者を2回受診したように装い、再診料等を不正に請求している」、「保健所による立入検 査が行われ不正請求が指摘されている」との情報提供があった。
- 平成26年8月、当該保険医療機関に対し個別指導を実施したところ、患者が 来院したとされる日の診療録に、医師の所見等の記載がなく数字のみの記載しか確認できず、実際に行っていない保険診療の付増請求等が疑われたことから個別 指導を中断し、実態を明らかにするため患者調査を行うこととした。
- 患者調査を実施したところ、患者からの回答と診療報酬明細書の請求内容とに相違する点が見られた。
- 平成26年11月、個別指導を再開したところ、田﨑医師が、月に1回しか受診していない患者を2回受診したとして請求していたことを認めたため、個別指 導を中止し、監査を実施した。
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