無資格で歯科技工物を製作!200以上の歯科医院で患者に装着

大阪府豊中市の歯科技工所=サンエー株式会社=の社長ら役員4人と、パート従業員2人を大阪府警が2017年5月2日、歯科技工士法違反の疑いで書類送検したとのことだ。

書類送検容疑は、6人が共謀して今年1月、歯科技工士の資格が無いのに歯の詰め物(金属冠やセラミックなど)を製作し、関西の200以上の歯科医院で装着されていたとして調べているようだ。

朝日新聞➤➤➤無資格で歯の詰め物製造容疑 社長「被害出てないので」

2017年05月08日 18時06分 関西NEWS WEB

無資格者使用の歯科技工所はいくらでもある

この豊中市の技工所サンエー株式会社は私も知っている。

この歯科技工所の特徴は、国が示す適正な歯科技工価格を大幅に下回る「安い歯科技工物」を提供する歯科技工所ということだ。また、記事には他の歯科技工所に比べ納期が早かったとある。

今回は無資格者の使用での歯科技工士法違反ということで、サンエー株式会社が悪質な技工所であることは明白だ。だが、このような無資格者のパート従業員を使用している歯科技工所はいくらでもある。氷山の一角だ。

さらに、労働基準法違反ということで言うと、ほとんどの歯科技工所が超長時間労働・低賃金という就労環境にあり、労働基準法に抵触するだろう。

 

歯科技工はブラック産業

技工所サンエーの技工所単体の問題は勿論ある。擁護するつもりもない。だが、この問題の根幹は歯科技工業界全体がブラック産業化していることにある。

歯科技工産業は超長時間労働・低賃金という状況にあり、若い歯科技工士が使い捨てにされている。歯科技工士の実態はこちら👉歯科技工士の本当の年収は?時給で計算すると170円だった!で示してある。

そのことから、国家資格を所得した若い歯科技工士の卒後5年以内の離職率は約8割と異常な状況にある。そのことは、👉歯科技工士の実態と離職率!5年以内の離職率は?マジか80%で詳しく示してある。

加害者なのに被害者面する歯医者

ニュース動画の後半に「長年、歯科技工所サンエーと提携している」という歯医者がインタビューに応じている。

その中でこの歯医者は「遺憾だ」とか「知らなかった」などと被害者面して、さらには「怒りをどこにぶつけたらよいか」などと上から目線で話している。

このインタビューを見た感想は、は?お前は一番の加害者やろ!だ。

その理由は、

歯医者が歯科技工所サンエーと取引する理由
  • ①歯科技工料金を安く抑えることができる
  • ②短納期を強要でき、患者の回転率を上げることができる

要するに、自らが買いたたき、安物の技工物を仕入れているのだ。

通常の商売であれば特に問題は無いのだが、「医療」という観点からは大きな問題がある。理由は以下の通りだ。

①歯科技工料金を安く抑えることができる

歯科医療を行うことで、歯医者は公定価格である保険点数として治療費(売り上げ)が振り込まれる。

この保険点数は全国一律で、どこで治療を受けても患者さんの治療費負担は同額だ。これが、「いつでも、どこでも、だれもが」良質な医療が受けられるための国民皆保険制度だ。

しかし、歯科技工料金を安く買いたたくことで歯医者は、不当利益を得ることができる

どういうことかというと、歯科技工料金を安く買いたたけば買いたたくほど経費は抑えられ、売上の保険点数との差益が生じる。

当然、そうなると安物で不良な歯科技工物が出回り、歯科医療の質と安全性が担保できなくなることから、国は「7:3大臣告示」というもので歯科技工料金の適正価格を示している

しかし、この7:3大臣告示は守らなかったからといって罰則などの法的拘束力はない。歯科医師の倫理観に任せられている。

そのため、ほとんどの歯医者が質と安全性を無視して、自らの利益のためだけに安物の歯科技工物を患者さんの口の中に放り込んでいるのが実態だ。

②短納期を強要

ニュースでは納期は3日とある。そもそも低価格なうえに納期が3日となると、これはもう地獄としか言いようがない。

歯科技工物は一つ一つ手作業で患者さんに合うものに作られる。そのため、非常に繊細な作業で時間がかかる。

多くの歯医者さんでは予約は1週間後だ。最低でも1週間は納期が無いと、まともな歯科技工物を作成することは不可能なのだ。

なので、やたらと義歯の完成が早い歯科医院は要注意だ。

 

 

 

歯医者は加害者

歯科技工所サンエーと取引している歯医者は200軒あるということだ。インタビューの歯医者も如何にも被害者という感じで応じているが、自らが、

1、安物の歯科技工所を選び、買いたたき、

2、短納期を強要し、

3、「安物で低品質な義歯」を患者さんの口に放り込み、

4、自分だけがピンハネで儲ける

そのことで、歯科技工がブラック産業化している。

無資格者の使用は許されることではないが、このような問題を引き起こしているのは、歯科技工所サンエーと取引しているような歯医者たちなのだ。

この被害者面している200件の歯医者に問いたい

業務委託している歯医者へ質問?
  • 安物の歯科技工物と歯科技工所を選んだのはあなたですよね?
  • 異常な短納期の技工所を選んだのはあなたですよね?

治療の質と安全性を第一に考え、患者さんの利益を最大化するのではない。我がの利益第一主義という歯医者たちで、歯科医療の質と安全性は二の次ということだ。

どう言い表せばよいのだろう?情けない・セコイ・しょぼい・・・

 

無資格者が作った技工物が分からない歯医者

そもそも無資格者が作った義歯と、歯科技工士が作った歯科技工物が見分けられない歯医者ってどうなん?って感じだ。

この歯医者たちは歯科技工物の質なんかはどうでもいいという考えだ。目利きもできない。

歯科技工士が作ったかどうか以前に、安物の低品質な歯科技工物を口に放り込まれている時点で患者さんは被害者だ。そして、そのような歯医者は既に加害者なのだ。

 

 

健康被害が出ていない?

報道では、健康被害は確認されていないということだ。

何故そんなことが分かるのか?誰が調べたのだろうか?

おそらく、「被害報告が無い」ということで「健康被害は無い」ということになっているのかと思う。

そもそも、歯科技工所サンエーに歯科技工を委託していた200件以上もの歯医者は、その事実を患者さんに伝え、健康被害の確認をするだろうか?

おそらく、この200軒以上の歯医者は、歯科技工所サンエーとの提携事実は隠ぺいするだろう。患者さんのことを本当に心配し、健康被害の有無を確認する歯医者が何人いるだろうか?

結局は患者さんの心配なんかは二の次で、また、新しい安物の歯科技工物を短納期で作る歯科技工所をさがすのだろう。

どこのだれがいくらで、作ったのかをチェック!

歯科技工はBLACKボックスと化しているので、患者さんには、どこのだれがいくらで、歯科技工物をつくっているのかが分からない。

良質な歯科技工物を装着するためには、患者さん自身が、どこのだれがいくらで、歯科技工物をつくっているのかの確認が必要だ。

そのことから、歯科技工の適正価格と、チェックシートで確認できるようにしてみた。詳しくはこちらから👉✅歯医者の費用が同じなのに「治療の質」が違いすぎる理由!

是非、患者さんには良質な義歯を手に入れていただきたい。

 

歯医者さん


歯医者さんには、もうそろそろ安物の歯科技工物を装着するというセコイことは辞めて、適正価格で歯科技工物を提供し、技術で勝負している歯科技工士と取引をしていただきたい。

そんなセコイことをしなくても、しっかりと経営を学べば売上や収入を飛躍的に向上させることくらいは難しいことではない。

 

歯科技工士さん


歯科技工士さんは、もうそろそろダンピング競争は辞めて、技術で勝負していただきたい。世界の主要資本主義国では、ダンピングはもっとも恥ずべき商法という考えが定着してるのだから。

 

 

まとめ

このような歯科医療に関わる問題事件をきっかけにでも、真っ黒な歯科医療業界が少しはまともになることを期待したい。

この事件は、一つの歯科技工所の問題ではない。歯科医療全体の抱える問題の一部が表面化しただけのことだ。

そろそろ歯科業界は隠ぺい体質から脱却し、可視化をすすめ、まともな業界になる必要があるのではないか?そのことが、結果的には患者さんからの歯科医療不信を払拭し、信頼される歯科医療に繋がると思う。

厚生労働省には健康被害の報告が上がってくるのを待つのではなく、被害に遭った患者さんに本当に健康被害が生じていないのかを、確認していただきたい。

200軒の歯科医院を公表し、直接、患者さんが相談できる窓口くらいは設けてほしいものだ。

 

 

お問合せ・コメントはこちら