兵庫県神戸市東灘区本山中町の日山クリニック(日山 憲一)が診療報酬を不正に請求し得ていたことから保険医療機関の指定取消処分となりました。
不正内容は以下の通り
- 医師、歯科医師又は診療放射線技師でない無資格者が行ったエックス線撮影又はCT 撮影に係る一連の費用を不正に請求していた。(その他の請求)
- 医師、歯科医師、看護師又は准看護師でない無資格者が行った検査に係る診療報酬を 不正に請求していた。(その他の請求)
- 実際には労務不能ではないことを承知していたにもかかわらず、傷病手当金意見書に 労務不能である旨の虚偽の診断内容を記載したものについて、傷病手当金意見書交付料 を不正に請求していた。(その他の請求)
保険医の登録の取消及び元保険医療機関の指定の取消相当(平成29年3月28日付)(PDF:222KB)
平成29年3月28日 近畿厚生局
日山クリニック(日山 憲一)➔詐欺事件で逮捕➔取消処分
平成29年3月21日に開催された近畿地方社会保険医療協議会において、「保険医の登録の取 消」が妥当との答申及び「元保険医療機関の指定の取消相当」について建議がありました。
これを受け、近畿厚生局長は次のとおり対応しましたので、お知らせします。
1 保険医の登録の取消
(1)登録の取消となる保険医
- 氏名 日山 憲一(ひやま けんいち)(62歳)
- 取消年月日 平成29年3月28日
2 元保険医療機関の指定の取消相当の取扱い
(1)指定の取消相当となる元保険医療機関
- 名称 日山クリニック
- 所在地 兵庫県神戸市東灘区本山中町4丁目6-15
- 開設者 日山 憲一
- 取消相当年月日 平成29年3月28日
※ 当該保険医療機関は平成29年3月9日付で廃止していることから、指定の取消相 当の取扱いとしている。
3 監査を行うに至った経緯
- 平成25年11月7日、無資格者によるエックス線撮影や心電図検査などが実施されてい たとして、兵庫県警が、開設・管理者である日山医師を同日に逮捕した旨の報道があっ た。また、同月28日、当該医療機関の従事者による傷病手当金詐取の詐欺事件に関し、 日山医師が関与していたとして同月27日に再逮捕された旨の報道があった。
- 平成26年9月26日、個別指導を実施したところ、日山医師は、無資格者による診療等 を行っていたことを認めたものの、具体的な患者名等について明確な回答がなかったた め、個別指導を中断した。
- 個別指導中断後に複数の者に対し患者調査を実施したところ、医師又は看護師以外の 者から心電図検査を受けた旨及び医師以外の者からエックス線撮影及びCT撮影を受け た旨の回答があった。 このため、当該医療機関では、多数の患者に対して無資格者による診療が行われ、か つ、診療報酬を不正に請求していた疑いが濃厚となった。
- 以上のことから、平成27年11月27日に個別指導を中止し、平成27年12月8日から平成 28年9月2日まで計6日間の監査を実施した。
4 取消処分及び取消相当の主な理由
監査において判明した取消処分及び取消相当の理由となる主な事実は、以下のとおり。
- 医師、歯科医師又は診療放射線技師でない無資格者が行ったエックス線撮影又はCT 撮影に係る一連の費用を不正に請求していた。(その他の請求)
- 医師、歯科医師、看護師又は准看護師でない無資格者が行った検査に係る診療報酬を 不正に請求していた。(その他の請求)
- 実際には労務不能ではないことを承知していたにもかかわらず、傷病手当金意見書に 労務不能である旨の虚偽の診断内容を記載したものについて、傷病手当金意見書交付料 を不正に請求していた。(その他の請求)
5 不正・不当請求金額
監査において判明した不正・不当請求金額は、監査で使用した平成23年3月分から平成 24年12月分までのレセプトのうち以下のとおり
- 不正請求金額 8名分 31件 108,033円
- 不当請求金額 26名分 291件 1,072,539円
なお、監査において判明した分以外についても、不正・不当請求のあったものについて は、監査の日から5年前まで遡り、保険者等へ返還させることとしている。
6 再指定等
原則として、登録の取消の日及び指定の取消相当の日から5年間は、保険医の再登録及 び保険医療機関の再指定は行わない。 (参考)取消処分の根拠条文
○ 保険医療機関の指定の取消 健康保険法第80条第1号、第2号、第3号及び第6号
○ 保険医の登録の取消 健康保険法第81条第1号及び第3号
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