2017年7月4日にモーニングショー(朝日放送)に続き、7月5日のとくダネ(フジテレビ)でも歯医者のドリル(ハンドピース)の使い回しの問題が取り上げられていた。
その中で今回は、ハンドリースに加え治療時に使用する「手袋」の使い回しも話題に。
ハンドピースの使い回しに関しては別記事で紹介したので、本記事では「手袋の使い回し」に関してお伝えする。
ハンドピースの使い回しはこちら👉歯を削るドリル(ハンドピース)を半数の歯医者が使い回し
目次
衝撃の結果!歯医者の手袋の使い回し
まずは、歯医者で治療時に使用する手袋だが、患者ごとに必ず交換している歯医者は、なんと52%だった。
言い換えると、半数の歯医者では患者さんごとに必ず交換しているわけではない。
想像してみてください・・・。あなたが治療を行うときに、見ず知らずの前の患者さんで使った「手袋」で引き続きあなたが治療を受けているか可能性は高い。
信頼できるデータなのか
このデータは、厚生労働省:厚生労働科学研究にて実施された「歯科ユニット給水システム純水化装置の開発に関する研究」という調査の結果だ。
国が実施し、公表しているデータなので公的な調査結果と言える。
調査結果は以下の通り
歯科ユニット給水システム純水化装置の開発に関する研究から
ただ、現場を知る者としての感覚としては、実態は確実にもっとひどい状態だ。なので、実態を正確に示したものかと言われると、実態はもっとひどい状態であると思う。
では、何故このこの調査では52%にとどまったのか?
それは、調査に協力した歯科医師は、
- 歯科医師会を通じて調査依頼が来ている
- どのような調査課は事前に理解している
そのような理由から、おそらく色を付けて(実際よりも良く)回答すると思う。また、この調査は歯科医師会会員1000名に送付し、700名からの回答のデータだ。
回答しなかった300名は、どのような状態の歯医者なのかが気になるところだ。
歯ブラシを使いまわすようなもの
とくダネ番組出演者の中から、出演した歯科医師に対し、「少なくとも消毒はしていますよね?」との質問に歯科医師は「おそらくされているとは思う・・・」と微妙な回答。
この歯科医師の反応は非常に正直な反応であったと思う。
そう、消毒もしていない歯医者など山ほどいる。
次に、「歯ブラシを使いまわしているようなものでは?」との質問があり、他の番組出演者からも「そこまでひどくないですよね?」と続いて質問があった。歯科医師は、「そうですね・・・」と困惑気味。
一言でいうと、「その通り」。むしろもっと危険だ。
感染の恐れ
想像していただきたい。
この様な歯医者の状況で、あなたが治療を受ける前の患者さんが、B型肝炎・C型肝炎・HIVの患者さんであったとしたら、どうなるかを。
多くの歯医者は、「そのような患者さんの場合は必ず交換。滅菌する」と答える。しかし、そのようなすべての患者さんが自己申告してくれるとは限らない。また、自身がB型肝炎・C型肝炎・HIVであることに気が付いていない方も多くいる。
手袋の交換・ハンドピースの滅菌ができない理由
歯医者はみんな滅菌が必要なことは知っているけれど、滅菌や手袋の取り換えができない理由があるとのこと。
- 費用と
- 手間
がかかるという理由であった。
要するに、高いし時間がかかるからやらないということだ。
番組出演者からも意見が
とくダネ番組出演者からは、「でも、これっておかしくないですか?患者ファーストでなく、歯医者ファーストになっている」一方で、「ただでさえ歯医者は保険外治療が高い。滅菌・交換をすることで更に高くなると困る。そういうこと」などの意見が出た。
歯医者のモラルの問題
どちらの意見もごもっともだと思うが、この話は保険治療だ。歯科は保険点数(治療の報酬)が低いが、必要な経費はこの保険点数として歯医者に入っている。なので、当然、滅菌・交換は行わなくてはいけないのだが、歯医者が自分の所得としてかすめ取っているので出来なくなる。
今の保険点数にプラスして本当に必要であれば、国に求めればいい。国民も納得するだろう。しかし、実際は患者の安全性よりも「自分の収入アップが第一」と考えている歯医者があまりにも多いこという歯医者のモラルハザードの問題なのだ。
滅菌・交換している歯医者を見分けるには?
では、しっかりと滅菌・交換している歯医者を見分けるためには?との問いに出演した歯科医師からは、
ということであった。なるほど、確かにそうだ。
【注意】
とくダネ番組出演者からは、「綺麗な歯医者や、最新の設備などお金をかけている歯医者を選ぶべきかな」との意見があったが、この意見をそのまま鵜呑みにするのは危険だ。
言い換えれば、表向きは素晴らしいが、その分の経費(固定費)がすでに発生しているので、裏ではとことん経費削減を行っている歯医者は山ほどある。
設備や綺麗さで判断するのは危険だ。小さな古い歯医者でも滅菌・交換など感染には人一倍気を付けている歯医者もいる。
どの歯医者が「良い歯医者」かを見抜くこと難しい。良い歯医者の選び方をまとめているので是非、参考にしていただきたい。
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