大阪府大阪市中央区東心斎橋の医療法人貴綾会 石川クリニックが診療報酬を不正請求により得ていたことから保険医療機関の指定取消処分となりました。
不正内容は以下の通り
- 実際には行っていない保険診療を行ったものとして、診療報酬を不正に請求していた。(架空請 求)
- 実際に行った保険診療に行っていない保険診療を付け増して、診療報酬を不正に請求していた。 (付増請求)
- 患家以外で行った診療を往診したものとして、診療報酬を不正に請求していた。(その他の請求)
保険医療機関の指定の取消(平成27年5月5日付)(PDF:224KB)
平成27年4月28日近畿厚生局 保険医療機関の指定の取消について
石川クリニック➔個別指導➔監査➔指定取消
平成27年4月21日に開催された近畿地方社会保険医療協議会において「保険医療機関の指定の取消」 が妥当との答申がありました。
これを受け、近畿厚生局長は次のとおり対応することを決定しましたので、お知らせします。
1.保険医療機関の指定の取消
(1)指定の取消となる保険医療機関
- 名 称 医療法人貴綾会 石川クリニック
- 所在地 大阪府大阪市中央区東心斎橋2丁目5番24号 浜一ビル1F
- 開設者 医療法人貴綾会 理事長 石川 哲也(いしかわ てつや)
- 取消年月日 平成27年5月5日
2.監査を行うに至った経緯
- 平成 25 年2月 25 日、大阪府から近畿厚生局に対し、鍼灸施術所や接骨院(以下「鍼灸院等」と言 う。)において診療を行っていることや、受診していない医療機関が医療費通知に記載されているとの 情報が、複数の被保険者から大阪市及び大阪府後期高齢者医療広域連合に寄せられている旨の情報提 供があった。
- また、平成25年6月12日、全国健康保険協会大阪支部(以下「協会けんぽ大阪」という。)から近 畿厚生局に対し、鍼灸院等で診療を行っているとの投書があり、協会けんぽ大阪が鍼灸の療養費が請 求されている被保険者に照会したところ、鍼灸院等で行った診療を保険診療として請求していること 及び診療報酬明細書の実日数が受診した日数より多いことが判明した旨の情報提供があった。
- 平成 25 年8月 26 日、患者紹介ビジネスを手がける業者が鍼灸院等に患者を集め、医師の診察を受けさせている旨の新聞報道があった。当該報道では医療機関名を公表しなかったものの、掲載された 記事から当該医療機関に係る内容であることが疑われた。
- 平成 25 年9月 25 日、個別指導を実施したところ、管理者が鍼灸院等で診療を行ったことを認めた ものの、指導対象患者の診療録の一部について持参がなかったため、個別指導を中断した。
- 平成 26 年1月 22 日、個別指導を再開したところ、新たに指導対象とした患者の診療録について持参がなかった。また、再度鍼灸院等で診療を行ったことを認めたこと及び診療報酬が請求されている 薬剤の購入実績が確認できなかったことから、診療報酬の請求に不正又は著しい不当があったことが 強く疑われたため、個別指導を中止し、平成26年3月7日ほか計8回の監査を実施した。
3.取消処分の主な理由
監査において判明した取消処分の理由となる主な事実は、以下のとおり。
- 実際には行っていない保険診療を行ったものとして、診療報酬を不正に請求していた。(架空請 求)
- 実際に行った保険診療に行っていない保険診療を付け増して、診療報酬を不正に請求していた。 (付増請求)
- 患家以外で行った診療を往診したものとして、診療報酬を不正に請求していた。(その他の請求)
4.不正・不当金額
監査において判明した不正・不当金額は、監査で使用した平成23 年10 月分から平成25 年10 月分ま でのレセプトのうち以下のとおり。
不正・不当請求の金額
- 不正金額 39名分 71件 586,520円
- 不当金額 27名分 133件 398,731円
なお、監査で判明した分以外についても、不正・不当請求のあったものについては、監査の日から保 険医療機関の指定日(平成23年10月1日)まで遡り、保険者等へ返還させることとしている。
5.再指定
原則として、指定の取消の日から5年間は、保険医療機関の再指定は行わない。 (参考)取消処分の根拠条文
○ 保険医療機関の指定の取消 健康保険法第80条第1号、第2号、第3号及び第6号
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