元保険医療機関の指定の取消相当の取扱いについて
近畿厚生局長は、医療法人開成会ハシモトデンタルオフィス忠岡分院に平成28年7月4日 付で保険医療機関の指定を取り消すとして通知したところ、
平成28年6月30日付で保険医療 機関が廃止された旨、平成28年7月1日に届出されたため、当該指定の取消処分については、
平成21年4月13日保医発第0413001号厚生労働省保険局医療課長通知の「元保険医療機関等及 び元保険医等の取消相当の取扱いについて」に基づき、指定の取消相当の取扱いとすることに変更しましたので、お知らせします。
不正内容は以下の通り
- 実際に行った保険診療に行っていない保険診療を付け増して、診療報酬を不正に請求 していた。(付増請求)
- 実際に行った保険診療を保険点数の高い別の診療に振り替えて、診療報酬を不正に請 求していた。(振替請求)
- 実際に行った保険適用外である診療を保険適用である診療を行ったものとして、診療 報酬を不正に請求していた。(その他の請求)
保険医療機関の指定の取消及び保険医の登録の取消(平成28年7月4日付)(PDF:152KB)
平成28年7月5日 近畿厚生局
目次
ハシモトデンタルオフィス忠岡分院:情報提供➔個別指導➔監査14回
平成28年6月27日
保険医療機関の指定の取消及び保険医の登録の取消について 平成28年6月20日に開催された近畿地方社会保険医療協議会において、「保険医療機関の指 定の取消及び保険医の登録の取消」が妥当との答申がありました。
これを受け、近畿厚生局長は次のとおり対応することを決定しましたので、お知らせしま す。
1 保険医療機関の指定の取消及び保険医の登録の取消
(1)指定の取消となる保険医療機関
- 名称: 医療法人開成会ハシモトデンタルオフィス忠岡分院
- 所在地: 大阪府泉北郡忠岡町忠岡東1丁目 14 番 12 号 カツモトビル2F
- 開設者: 医療法人開成会 理事長 橋本 英敏(法人番号 6120005014300)
- 取消年月日: 平成28年7月4日
(2)登録の取消となる保険医
- 氏名: 橋本 英敏(はしもと ひでとし)(44歳)
- 取消年月日: 平成28年7月4日
2 監査を行うに至った経緯
- 平成24年10月23日、患者から近畿厚生局指導監査課に対し、医療費通知に記載されて いるような高額な治療は受けていない旨の情報提供があった。 また、11月20日、匿名の者から、歯科衛生士が不在であるにもかかわらず、歯科衛生 実地指導料が保険請求されている旨の情報提供があった。
- 平成25年9月19日及び11月28日、個別指導を実施したところ、診療録に歯肉剥離掻爬 手術を実施した旨の記載があるにもかかわらず、その後約2か月間にわたり診療録の記 載がないこと、金銀パラジウム合金で診療報酬が請求されている歯科技工物の納品書に ついて、金属材料の名称が記載されていないものがあること及び歯科衛生士が退職し、 在職する歯科衛生士がいない期間であるにもかかわらず、歯科衛生実地指導料が請求されていることが確認された。これらのことについて、明確な回答がなかったことから個別指導を中断した。
- 平成26年2月27日、個別指導を再開したところ、患者調査で手術の実施及びレジン前 装金属冠の装着がないことが確認され、診療報酬の不正請求が強く疑われたことについ て、橋本歯科医師から明確な回答がなかった。 これらのことから、個別指導を中止し、同日ほか計14回の監査を実施した。
3 取消処分の主な理由
監査において判明した取消処分の理由となる主な事実は、以下のとおり。
- 実際に行った保険診療に行っていない保険診療を付け増して、診療報酬を不正に請求 していた。(付増請求)
- 実際に行った保険診療を保険点数の高い別の診療に振り替えて、診療報酬を不正に請 求していた。(振替請求)
- 実際に行った保険適用外である診療を保険適用である診療を行ったものとして、診療 報酬を不正に請求していた。(その他の請求)
4 不正・不当請求金額
監査において判明した不正・不当請求金額は、監査で使用した平成24年1月分から平成 25年9月分までのレセプトのうち以下のとおり
- 不正請求金額: 13名分 71件 1,043,092円
- 不当請求金額: 14名分 167件 184,005円
なお、監査において判明した分以外についても、不正・不当請求のあったものについて は、保険医療機関の指定日(平成24年1月1日)まで遡り、保険者等へ返還させることと している。
5 再指定等
原則として、指定の取消及び登録の取消の日から5年間は、保険医療機関の再指定及び 保険医の再登録は行わない。 (参考)取消処分の根拠条文
- 保険医療機関の指定の取消 健康保険法第80条第1号、第2号、第3号及び第6号
- 保険医の登録の取消 健康保険法第81条第1号及び第3号
歯科の指導・監査から生活・家族・関係者を守る
多かれ少なかれ指導・監査に不安を抱いている歯科医師は多い。
しかし、多くの歯科医師は相談できる相手がいないため、診療で忙しい日々に独自に一人で対応する場合が多い。
そのため、辻褄を合わすために技工所に指示書や納品書の改ざんを指示したりする場合も多いが、この場合は「取消」で済む話ではなく「詐欺」として刑事事件に発展する。
指導・監査は任意調査であるのに対し、事件となれば調査は強制なので当然、厳しいものになる。
「正しい対応」と「相談相手」
個別指導でしっかりと対応しなけば、述べ複数回にもなる監査に繋がる。
個別指導から監査へと移行する場合は、今回のようなに明らかな不正がある場合だけではない。意図しないミスや「言いがかり」ともいえる理由でも実施される。
また、何よりも個別指導や監査での技官は非常に高圧的で、結果が見えない中で長期間・複数回の監査が続く状況は、計り知れないほどの精神的負担を伴う。事実、そのことで自殺にまで追い込まれた医師も存在するのだから。
指導・監査は不正請求の疑いを抱かれているためだ。そのような歯科医師に対して世間の見る目は冷ややかだ。このような状況にある歯科医師へのテクニカル的なアドバイスや、何よりも相談できる相手がいると居ないのとでは、日々の不安や精神ストレス、指導・監査の結果は全く違ったものとなる。
指導・監査の対策マニュアル
是非、私たちが提供する保険医療機関の指導・監査の対策マニュアルをご活用いただき、保険医の指定は勿論、生活・家族・関係者の事業と生活を守っていただきたい。
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