野上歯科医院:西宮市が不正請求332万689 円、不当請求39万1,690 円

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兵庫県西宮市の医療法人社団野上歯科医院が実際には月1回しか通院していない患者にも関わらず、高額な診療報酬請求をしていたことなどから、指導・監査を経て保険医療機関および保険医の取消処分となった。

不正内容は以下の通り

  1. 実際には行っていない保険診療を行ったものとして診療報酬を不正に請求してい た。(架空請求)
  2. 実際に行った保険診療に行っていない保険診療を付け増して診療報酬を不正に請 求していた。(付増請求)
  3. 実際に行った保険診療を保険点数の高い別の診療に振り替えて診療報酬を不正に 請求していた。(振替請求)
  4. 自費診療として患者から費用を受領しているにもかかわらず、同診療を保険診療 したかのように装い、診療報酬を不正に請求していた。(二重請求)
  5. 実際に行った保険適用外である診療を、保険適用である診療を行ったものとして、 診療報酬を不正に請求していた。(その他の請求)

保険医療機関の指定の取消及び保険医の登録の取消(平成26年7月14日付)(PDF:210KB)

平成26年7月7日 近畿厚生局

 

 

野上歯科医院:個別指導➔監査➔指定・登録の取消

保険医療機関の指定の取消及び保険医の登録の取消について

平成26年6月30日に開催された近畿地方社会保険医療協議会において「保険医療機関の指 定の取消及び保険医の登録の取消」が妥当との答申がありました。

これを受け、近畿厚生局長は次のとおり対応することを決定しましたので、お知らせしま す。

 

1.保険医療機関の指定の取消及び保険医の登録の取消

(1)指定の取消となる保険医療機関

  • 名称: 野上歯科医院
  • 所在地: 兵庫県西宮市羽衣町7-30-201
  • 開設者: 医療法人社団野上歯科医院 理事長 野上 恭嗣(のがみ やすつぐ)
  • 取消年月日: 平成26年7月14日

(2)登録の取消となる保険医

  • 氏名: 野上 恭嗣〔67 歳〕
  • 取消年月日: 平成26年7月14日

 

2.監査を行うに至った経緯

  1. 平成24年2月20日、被保険者から近畿厚生局兵庫事務所に対し、実際には月に1回しか通院していないにもかかわらず、医療費通知では高額な診療報酬請求が行われている との情報提供があった。
  2. 平成24年9月13日、個別指導を実施したところ、野上歯科医師から、複数の患者の診療録に、記載した来院日を誤って別の日で診療報酬を請求したこと等について、明確な 回答が得られなかったことから個別指導を中断した。
  3. 平成24年12月20日、個別指導を再開し、野上歯科医師に診療報酬の請求等について確認したところ、診療報酬を不正に請求していることが強く疑われたため、個別指導を中 止し監査を実施した。

 

3.取消処分の主な理由 監査において判明した取消処分の理由

主な事実は、以下のとおり。

  1. 実際には行っていない保険診療を行ったものとして診療報酬を不正に請求してい た。(架空請求)
  2. 実際に行った保険診療に行っていない保険診療を付け増して診療報酬を不正に請 求していた。(付増請求)
  3. 実際に行った保険診療を保険点数の高い別の診療に振り替えて診療報酬を不正に 請求していた。(振替請求)
  4. 自費診療として患者から費用を受領しているにもかかわらず、同診療を保険診療 したかのように装い、診療報酬を不正に請求していた。(二重請求)
  5. 実際に行った保険適用外である診療を、保険適用である診療を行ったものとして、 診療報酬を不正に請求していた。(その他の請求)

 

4.不正・不当金額 監査において判明した不正・不当金額

監査で使用した平成 22 年5月分から平成 25 年7月分までのレセプトのうち以下のとおり。

 

監査で判明した不正件数、金額は以下のとおり
  • 不正金額 53 名分 300 件 3,320,689 円
  • 不当金額 26 名分 163 件 391,690 円

なお、監査で判明した分以外についても、不正・不当請求のあったものについては、 監査の日から5年前まで遡り、保険者等へ返還させることとしている。

 

 5.行政処分の内容

再指定等 原則として、指定の取消及び登録の取消の日から5年間は、保険医療機関の再指定及び 保険医の再登録は行わない。 (参考)取消処分の根拠条文

  1. 保険医療機関の指定の取消 健康保険法第80条第1号、第2号、第3号及び第6号
  2. 保険医の登録の取消 健康保険法第81条第1号及び第3号

 

 

歯科の指導・監査から生活・家族・関係者を守る

多かれ少なかれ指導・監査に不安を抱いている歯科医師は多い。

しかし、多くの歯科医師は相談できる相手がいないため、診療で忙しい日々に独自に一人で対応する場合が多い。

そのため、辻褄を合わすために技工所に指示書や納品書の改ざんを指示したりする場合も多いが、この場合は「取消」で済む話ではなく「詐欺」として刑事事件に発展する。

指導・監査は任意調査であるのに対し、事件となれば調査は強制なので当然、厳しいものになる。

「正しい対応」と「相談相手」

個別指導でしっかりと対応しなけば、述べ複数回にもなる監査に繋がる。

個別指導から監査へと移行する場合は、今回のようなに明らかな不正がある場合だけではない。意図しないミスや「言いがかり」ともいえる理由でも実施される。

また、何よりも個別指導や監査での技官は非常に高圧的で、結果が見えない中で長期間・複数回の監査が続く状況は、計り知れないほどの精神的負担を伴う。事実、そのことで自殺にまで追い込まれた医師も存在するのだから。

指導・監査は不正請求の疑いを抱かれているためだ。そのような歯科医師に対して世間の見る目は冷ややかだ。このような状況にある歯科医師へのテクニカル的なアドバイスや、何よりも相談できる相手がいると居ないのとでは、日々の不安や精神ストレス、指導・監査の結果は全く違ったものとなる。

指導・監査の対策マニュアル

是非、私たちが提供する保険医療機関の指導・監査の対策マニュアルをご活用いただき、保険医の指定は勿論、生活・家族・関係者の事業と生活を守っていただきたい。

 

 

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