境 倫宏(51 歳)が544万5,686円を不正に請求し得ていたことから取消処分となった。
令和5年10月12日 東海北陸厚生局
✅ 不正内容は以下の通り
- 実際に行った保険診療に行っていない保険診療を付け増して診療録に不実記載し、保険医療機関に診療報酬を不正に請求させていた。
実際には使用していないにもかかわらず、薬剤を使用したものとして麻酔
記録システムに入力し、オノアクト 50mg 及びオノアクト 150 ㎎の診療報酬
を請求させていた。 - 公電磁的記録不正作出・同供用と詐欺の罪で、津地方裁判所から、懲役2年
6月執行猶予4年の判決を受け、同年5月7日をもって、刑が確定している。
境 倫宏(51 歳)→不正請求→取消処分
標記について、令和4年4月 12 日に開催された東海北陸地方社会保険医療協議会において、「保険医療機関の指定の取消及び保険医の登録の取消」について諮問した結果、諮問のとおり答申がありました。
これを受け、東海北陸厚生局長は以下のとおり行政処分等することを決定しましたのでお知らせいたします。
1 行政処分の内容
保険医の登録の取消
- 氏名:境 倫宏(51 歳)
- 登録取消年月日:令和5年 10 月 13 日
- 根拠となる法律:健康保険法第 81 条第1号、3号及び5号
2 行政処分に至った経緯
- 令和2年4月 10 日、境倫宏医師(以下「境元准教授」という。)が勤務してい
る保険医療機関(以下「当該保険医療機関」という。)の病院長及び総務課長が三重事務所に来所し、臨床麻酔部の准教授が手術において用いる薬剤オノアクト 50㎎及びオノアクト 150 ㎎について、実際には手術中に使用していないにもかかわらず、使用したかのように装い診療録に虚偽記載し、薬剤料に係る診療報酬の請求を行っていたことが判明した旨の報告があった。 - 令和2年 12 月4日、境元准教授が使用していない薬剤を患者に投与したよう
にカルテを改ざんしたとして公電磁的記録不正作出・同供用の疑いで、同月3日
付けで津地方検察庁に逮捕されたとの報道があった。
また、令和2年 12 月 24 日、同月 23 日付けで津地方検察庁に同罪により起訴
されたとの報道があった。 - 令和3年1月7日、境元准教授が患者約 50 人に薬剤を投与したとする虚偽の
麻酔記録を作成するなどし、国民健康保険団体連合会などから診療報酬計約 70
万円をだまし取ったとして診療報酬詐欺の疑いで、同月6日付けで津地方検察庁
に再逮捕されたとの報道があった。
また、令和3年1月 28 日、境元准教授が同罪で、同月 27 日付けで津地方検察
庁に起訴されたとの報道があった。 - 令和3年3月 17 日、個別指導を実施したところ、オノアクト 50 ㎎及びオノア
クト 150 ㎎について、実際には手術中に使用していないにもかかわらず、使用し
たかのように装い診療録に記載して診療報酬を請求しており、不正請求の疑いが
濃厚となったことから、個別指導を中止し、監査要綱の第3の1及び2に該当す
るものとして、令和3年8月6日から令和4年9月 30 日まで計 18 日間の監査を実施した。
3 禁錮以上の刑に処された事実
境元准教授は、令和元年8月9日から令和2年2月 29 日に渡り、電子カルテ
に手術の際に患者に投与していない薬剤を投与した旨の虚偽の記録をするとと
もに、実際には使用していない薬剤の薬剤料分合計 84 万円余りの診療報酬を、
当該保険医療機関をして審査支払機関に請求させて詐取したとして、令和3年4
月 22 日、公電磁的記録不正作出・同供用と詐欺の罪で、津地方裁判所から、懲
役2年6月執行猶予4年の判決を受け、同年5月7日をもって、刑が確定してい
る。
4 取消処分の主な理由
監査において判明した取消処分の理由となる主な事実は、以下のとおり。
- 実際に行った保険診療に行っていない保険診療を付け増して、診療報酬を不正
に請求していた。(付増請求) - 実際に行った保険診療を保険点数の高い別の診療に振り替えて、診療報酬を不
正に請求していた。(振替請求) - 実際に行った保険適用外である診療を、保険適用である診療を行ったものとし
て診療報酬を不正に請求していた。(その他の請求) - 不正請求分に係る一部負担金を受領していた。
4 不正・不当請求金額
監査で判明した不正件数、金額は次のとおり。
不正請求 | 406 件 | 5,445,686 円 |
なお、監査で判明した以外の分についても不正請求等があったものについては、
監査の日から5年前まで遡り、保険者等へ返還させることとしている。
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