鹿児島県霧島市国分府中町3番7号のまりふ歯科クリニック(原園 俊郎(はらぞの としろう))が診療報酬を不正に請求し得ていたことから保険医療機関の指定取消処分となりました。
不正内容は以下の通り
- 実際に行った保険診療を保険点数の高い別の診療に振り替えて、診療報酬を 不正に請求していた。(振替請求)
- 実際には保険適用外である診療を保険適用である診療を行ったものとして、 診療報酬を不正に請求していた。(その他の請求)
- 算定要件を満たさない医学管理等、歯冠修復及び欠損補綴に係る診療報酬を不 当に請求していた。(不当請求)
保険医療機関の指定の取消及び保険医の登録の取消について(PDF:128KB)
九州厚生局
まりふ歯科クリニック➔個別指導➔監査➔取消処分
保険医療機関の指定の取消及び保険医の登録の取消
厚生労働省九州厚生局は、平成28年5月19日付けで、保険医療機関に対する指定 の取消処分及び保険医に対する登録の取消処分を行いました。
この処分は、実際に行った保険診療を保険点数の高い別の診療に振り替えて請求するなど、診療報酬を不正に請求したことによるものです。
(不正・不当請求額 約83万円) なお、今回の処分にあたっては、平成28年5月16日に開催された九州地方社会保 険医療協議会に諮問を行い、諮問のとおりの答申がなされています。
1.保険医療機関の指定の取消処分及び保険医の登録の取消処分
(1) 指定取消となる保険医療機関
- 名称 まりふ歯科クリニック
- 所在地 鹿児島県霧島市国分府中町3番7号
- 開設者 原園 俊郎 (はらぞの としろう)
- 指定取消日 平成28年5月19日
(2) 登録取消となる保険医
- 氏名 原園 俊郎 (はらぞの としろう) 58歳
- 登録取消日 平成28年5月19日
2.根拠条文
(1) 保険医療機関の指定取消
健康保険法第80条第1号、第2号、第3号及び第6号
(2) 保険医の登録取消
健康保険法第81条第1号及び第3号 発 表 日 平成28年5月20日 照会先 九州厚生局鹿児島事務所 電話番号 099-201-5801 九州厚生局 Press Release 2
3.診療報酬の不正及び不当請求
不正・不当請求に係るレセプト件数及び金額 (平成20年4月~平成24年7月)
- 不正請求 78名分 レセプト 96件 807,322円
- 不当請求 2名分 レセプト 30件 21,210円
- 合 計 80名分 レセプト 126件 828,532円 (79名分)(125件)
※( )内は、患者実人数及びレセプト実件数である。 (注)・ 上記の件数及び金額について、被処分者は監査において不正・不当請求を認 めていない。 ・ 最終的な不正・不当請求の件数及び金額は、今後精査していくこととしてい るので、現時点では確定していない。
4.取消処分の主な理由
(1) 不正請求
① 振替請求
実際に行った保険診療を保険点数の高い別の診療に振り替えて、診療報酬を 不正に請求していた。
《 具体的事例 》
- 有床義歯を熱可塑性樹脂有床義歯としていた。
- 有床義歯の鉤及びバーに使用する金属について、実際にはコバルトクロム 合金を使用しているにもかかわらず、金銀パラジウム合金としていた。 等
② その他の請求
実際には保険適用外である診療を保険適用である診療を行ったものとして、 診療報酬を不正に請求していた。
《 具体的事例 》
有床義歯の補強線をバーとしていた。 等
(2) 不当請求
算定要件を満たさない医学管理等、歯冠修復及び欠損補綴に係る診療報酬を不 当に請求していた。
5.監査を行うに至った経緯等
- 平成24年2月、受診していない期間の医療費通知がきた旨の診療報酬の不正請 求に係る情報提供があった。
- 平成24年8月、個別指導を実施したところ、有床義歯の使用材料等について、 実際に使用した材料よりも高い材料で診療報酬の請求を行っている疑いが生じた ため個別指導を中断した。
- 平成24年11月、個別指導を再開したところ、原園歯科医師が実際よりも高 い材料で診療報酬を請求していた事実を認めたことから個別指導を中止し、監査を実施した。
歯科の指導・監査から生活・家族・関係者を守る
多かれ少なかれ指導・監査に不安を抱いている歯科医師は多い。
しかし、多くの歯科医師は相談できる相手がいないため、診療で忙しい日々に独自に一人で対応する場合が多い。
そのため、辻褄を合わすために技工所に指示書や納品書の改ざんを指示したりする場合も多いが、この場合は「取消」で済む話ではなく「詐欺」として刑事事件に発展する。
指導・監査は任意調査であるのに対し、事件となれば調査は強制なので当然、厳しいものになる。
「正しい対応」と「相談相手」
個別指導でしっかりと対応しなけば、述べ複数回にもなる監査に繋がる。
個別指導から監査へと移行する場合は、今回のようなに明らかな不正がある場合だけではない。意図しないミスや「言いがかり」ともいえる理由でも実施される。
また、何よりも個別指導や監査での技官は非常に高圧的で、結果が見えない中で長期間・複数回の監査が続く状況は、計り知れないほどの精神的負担を伴う。事実、そのことで自殺にまで追い込まれた医師も存在するのだから。
指導・監査は不正請求の疑いを抱かれているためだ。そのような歯科医師に対して世間の見る目は冷ややかだ。このような状況にある歯科医師へのテクニカル的なアドバイスや、何よりも相談できる相手がいると居ないのとでは、日々の不安や精神ストレス、指導・監査の結果は全く違ったものとなる。
指導・監査の対策マニュアル
是非、私たちが提供する保険医療機関の指導・監査の対策マニュアルをご活用いただき、保険医の指定は勿論、生活・家族・関係者の事業と生活を守っていただきたい。
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